「高橋さん、3年生の先輩が呼んでるよ」
ある日の昼休み、唄は何故か3年生に呼び出された。
同じクラスの子に呼ばれ、唄は「わかった」と言い、席を立つ。
「ちょっと、行ってくるね」
唄は笑顔で俺に言い、先輩の元に向かう。
俺は委員会のことだと思い、唄の帰りを待っていた。
だけど、10分経ったけど、未だに戻ってこない。
もうすぐしたら、昼休みが終わる。
嫌な予感がした。俺は心配になり、唄を探しに行った。
廊下を走り、先生に怒られても無視をし、嫌な予感が、俺の思い込みで終わってほしいと願いながら、唄を探し続ける。
唄が環境委員だったのを思い出して、靴に履き替え外に出た。
「あんた何様のつもりよ!」
使われていない旧校舎の前を通った時、裏から声が聞こえ向かった。
3人の先輩たちが、唄に詰め寄る。今にも、手を出しそうな勢いだった。
「やめろッ!」
「亮太?!何で此処に?!」
俺は先輩の手を払い、唄と先輩たちの間に割り込む。
「ちょっと邪魔しないで!あたし達はこいつに用があるのよ!」
先輩たちは俺たちを睨み付け、怒鳴りながら俺の後ろに居る唄に指を指す。