「見てたら分かる。てか、バレバレだし」
音夜は平然と答えた。
ちょっと待てよ…。俺、いつも唄に好き好きオーラだしていたのかッ?!じゃあ、相原にも気付かれているのか?!
だけど、何で本人(唄)は気がつかないんだッ?!
「そんなの決まってるだろ。あいつが鈍感だからだ」
「うおッ?!俺の心を読むなッ!」
俺は音夜に言われ、とっさに胸を押さえてしまった。
「読んでねぇし、読めねぇよ。顔に書いてあるんだよ」
時々、唄と音夜が姉弟(きょうだい)なのか疑いたくなる。音夜の鋭さは、浩平並にあなどれない。
てか、周りにバレているのが恥ずかしい…。自分がこんなにも単純とは思わなかった…。
「…こんなこと言うのもあれだけど、早く告(い)った方がいいぞ」
音夜が、真剣な顔をして少し低い声で言った。
そして、音夜の言っている意味を理解することができなかった。
「な、なんでだ?」
俺は少し驚きながら、音夜に聞いた。