「今回は、あたしが作るから!亮太、何でもいい?」
唄は立ち上がり、自分一人で作る気満々で俺に聞いてきた。
「うん。俺も手伝う」
俺も手伝おうと思い、肩に掛けていたベースをとった。
「亮太はお客様だから、あたしに任せて!」
唄は、椅子から立ち上がった俺をまた椅子に無理やり座らせた。
「大丈夫だ。こいつ一人に任せても」
音夜は、ギターを弾き続けていた。
「じゃあ、頼む。手伝ってほしかったら言えよ」
「うん!出来たら呼ぶから待っててね」
唄は、機嫌が良さそうに部屋を出て行った。
「やることもないし、演奏勝負でも」
「なぁ、亮太って…あいつのことが好きなんだろ?」
ボエ~~ンと、情けない音が響き渡る。俺は弾きながら言ったので、音夜に予想外のことを聞かれ、手元が狂い音が外れてしまった。
「なッ?!なんで、お前が知ってるんだよッ?!」
浩平しか教えていないのに、音夜が知っていたので驚きを隠せなかった。