「夏休みも残り一ヶ月だな」
「そうね。今年もライブの練習三昧になると思ってたけど、この前はみんなで花火……思い出したーーー!」
亮太との会話で、ある事を思い出してしまい、大声で叫んでしまった。
亮太はあたしの反応を見て、少し驚いた顔をしていた。
「ねぇ、なんで花火の帰り機嫌が悪かったの?」
聞きそびれていたので、亮太に聞いた。亮太は歩くのを止め、黙り込んでしまった。
もしかして、あたしが何かした感じ?!全ッ然見に覚えがないんですけど!何かやらかしちゃった、あたし?!
「…お前が、橘さんと2人で話してたからだ」
「え…?」
亮太から予想外の答えが返ってきたのと、低い声で言われたので混乱した。
「な、なんで、橘 奏と話してただけで怒ってるの?」
何故、ここで橘 奏がでて来るのか理由が分からなかったし、あたしと橘 奏が話しただけで、怒っているのか分からなかった。
「唄のことが、好きだから」