ーーーピンポーン!

その音にガバッと起きる私。

時計を見ると日が変わり、夜中の3時半。

急いでドアを開ける。

やっぱり君だった。

『おかえり!』

『ただいま!具合どう?』

『大分いいよ。ありがとう』

『よかった!』

りょうはスーツから部屋着に着替えると私に小さな箱を渡した。

『何これー?』

『開けてみて?』

私は小さな箱を壊さないように開けた。

『可愛い!ピアス…?』

りょうを見ると、りょうの耳に貰ったピアスと同じ形のピアスが揺れていた。

『美奈も仕事辛い時あるじゃん?俺が側に居てあげれない時があったら、このピアス見て俺の事考えて。美奈は一人じゃないからな!』

君は本当にズルイ。
そんな事言われて嫌がる人はいない。

また君に心を奪われた。

『ありがとう!』

私の人生の中で、ピアスのお揃いは初めて。

私の初めては君にあげたの。
言わなかったけどね。

今も私たちの耳に揺れてるピアス。
これから先もずっと一緒なんだから。