沙織と話していると過去が戻ってくる。

手首を押さえた。

『美奈…?恋愛って誰か必ず犠牲になるんだよ?』

『そんなの嫌だ…』

『その気持ちも分かる。だけどね、美奈は何も悪い事してないじゃん?自分の気持ちを伝えただけでしょ?』

『うん…』

『浮気とかなら話は別だけど、本気ならしょうがない事だよ!お願いだから、美奈…自分を傷つける事だけは止めて…ね?』

沙織は知ってる。
私が償いの為に自分を傷つけようとしていたことを…

『うん…分かってる。自分傷つけたりしない…』

電話を切って携帯を見る。

まだりょうから連絡は来ない。

最悪の事態になってしまったのか?

あまりの恐さに私は体を小さく丸めた。

お願いだから早く連絡を下さい。

どうか命が消えていませんように…