目の前が明るかった。

開いた先にあるのは天国か地獄か…
勇気を出して開けてみた。

『お母さん?』

目の前にいたのはお母さんだった。

赤い目をしている。泣いたんだろう。

横を見るとお父さんもいた。

カチャっとドアが開いてお姉ちゃんが泣きながら入ってきた時はさすがに驚いた。

『もうこんな事しないで!!!』

泣きじゃくる姉をお母さんが抱きしめた。

こんな事…?

現実にやっと戻った。

あっそうか。
私、死ねなかったんだ…

左腕に包帯が巻かれていた。

傷は消えていない。

私がつけた証。
辛さと悲しさしかない過去の証。