家具もなんもない部屋に私と荷物。

窓にはカーテンもない。

枕の代わりは荷物。
掛け布団の代わりは洋服。
これで寝るとこは完璧。

〜♪

『家具ないでしょ?あげるね?』

知り合いからだった。

もらったのは机、鏡、時計、洋服かけ。

本当に有り難かった。

でも、一人に変わりはなかった。

夜になると考えてしまう。
私は親に捨てられたのだと…

涙が止まらなかった。

寂しさと苦しさが私を追い詰めていったんだ。

知り合いに電話をかけた。

『どうした?』

『あのさ、精神病ってどうしたら治るんかな?』

何気なくした質問の答えに私は言葉を失った。

『えっ?お前、精神病なの?気持ち悪っ。もう関わらないで』

プップー

精神病ってキモチワルイノ?

精神病だと誰とも関わっちゃイケナイノ?

もう泣く事しか出来なかった。

そっか…
私はいらない人間…
生きてちゃ恥ずかしい人間なんだ…

気がつくと何回も何回も手首を切り刻んでいた。

血が床にたれてもまだ死ねなかった。

少しだけ朦朧としてきた。

これで死ねる。

私は大量の睡眠薬をお酒で飲んで目をつむった。

ありがとうと呟いて。