そんな私を見てお父さんが怒ってた。

今思えば、私を強くさせる為だったんだよね。
あの頃、私は弱すぎたんだ。

『就職しないなら家出てけ』

その言葉の意味を探した。
私の存在が邪魔なんだと理解した。
どうしていいか分からなくなった。
とりあえず考えた。
そして答えが出た。

『いらない人間は出ていこう』

私は泣きながら荷造りをした。
でも誰も止めてはくれなかった。

気付くと私はカッターで手首を切っていた。

流れる血を見て大丈夫まだ生きてるって確信して家を出て行った。

家を出てそんなに楽じゃない事を思い知らされた。

通帳に入ってる貯金を見ながら住むとこを探した。

敷金礼金がやたら高い。

これじゃ生活していけない。

でも実家にはもう戻れない。

私はよく考えてアパートを決めた。

それが今住んでいるこのアパート。