『携帯鳴ってるよ〜』

急な用事かもしれないから私はりょうを起こす。

『んー？』

りょうは携帯を見てすぐに閉じた。

『大丈夫。寝よ？』

『うん』

りょうに言われたままに私は眠りについた。

その日、不思議な夢を見たんだ。

私とりょうが歩いていると、一人の女の人が近づいてくるの。

私は少し怖かった。

だってね、その人、私を睨んでいたから。

すれ違った後、もう一回その人を見たの。

そしたら泣いてた。
まるで捨てられた子犬のように…

この夢の話は、りょうにしなかった。
私の中で止めといた。
だって不安にさせたくなかったし、きっとあの女の人、彼女さんだと思うから…

りょうより先に起きて私は朝ごはんを作りはじめる。

誰かにご飯作るの久しぶりで嬉しかったの。

美味しいって言ってくれるかな？

笑顔で美味しそうに食べる君を想像して私は毎回料理を作っているよ。