俺の家に着く。

楽しそうに笑う美鈴と、
考え過ぎて心臓バクバクの俺。



俺が玄関のドアを開けた瞬間。



「おかーりー」


と、ちっこいのが
俺の足にしがみついてきた。


って前にもこんなのあったな。



「琉衣、また来てたのかよ」

「ママもだよ」


と、ニカッと笑う琉衣。

そして、琉衣の視線は
美鈴に移された。




「だーれ?お姉ちゃん」

美鈴は琉衣の目線の位置までしゃがんだ。





「星夜くんの好きな人だよ」

「み、美鈴!」


急に顔が熱くなるのがわかった。



琉衣は美鈴の手を掴んでスカズカと部屋に入る。


慌て靴を脱ぐ美鈴。



そして、部屋に入った途端、琉衣が叫んだ。


「見てー!星夜くんの好きな人だおっ!」



その声が聞こえて、
俺は急いで靴を脱ぎ
部屋に駆けつける。



部屋の中には
親父とお袋と姉貴が
ニヤリと笑っていた。



「こ、こんにちは! お邪魔します」


と、キョドっている美鈴と満面の笑顔の琉衣。


『あちゃー』
と、心の中で叫んだ。