「あー! 楽しかったぁ」 時間は9時をとっくに過ぎていた。 「俺も久々、こんな暴れたの」 そう言って近くのベンチに腰を下ろす。 「あたし、遊園地とか初めてなんだよね」 「また!? ボーリングもだったじゃねーか」 「うん」 美鈴はどこか遠くを見ていた。 「また、来れるかな? 遊園地」 美鈴がポツリと呟く様に言ったその言葉には力がなかった。 「何言ってんだよ、いつでも来れんだろ?」 俺は軽くそう言った。