軽く涙目になる俺。


「ちびった?」

と、馬鹿にしてきた。


「ガキか、俺は」


そう言って、俺は烏龍茶を一口飲む。


「あんたは昔からつまんない奴だったけど…もっとつまんない奴になったわね」


いきなりなんだ?
俺は姉貴の顔をみる。

いつになく真面目な姉貴。

「つまんない奴ほど、ごちゃごちゃ考えて、余計につまんない生き方をしちゃうもんなのよね」


「なんだよ、らしくねぇな」

「あんたみたいなつまんない奴には、誰かが手をのばさないとダメなのよ」


言っていた。
姉貴が結婚するとき
「信斗が好きだから、手を差しのべただけ」
って…始めは意味分かんなかったけど、

姉貴は今の俺と
信斗さんを重ねてんだ。


「意味わかんね」


俺は一気に烏龍茶を飲み干し自分の部屋に入る。


"意味わかんね"


嘘だ。

心を見られてるようで
逃げただけだ。



「やっぱ姉貴はこえーわ…」