姉貴は、俺ん家から
車で20分ほどの場所にある
小さいアパートで
姉貴、信斗さん、瑠衣の
3人暮らしをしている。
「なんで帰ってきてんだよ、信斗さんは? またケンカ?」
俺が呆れ顔で言うと
下から瑠衣が俺のズボンを引っ張った。
「違うよお! のぶちんはお仕事でお泊まりしてんだよお」
瑠衣は姉貴のことは
"ママ"と呼ぶが、
信斗さんのことは前から
"のぶちん"って呼ぶ。
信斗さん、4歳の娘に馬鹿にされてんだな。
「久々に星夜に会いに来てやったのに、何よあんた、ひっどーい! ねー瑠衣?」
「ねー!」
瑠衣を味方につけやがって…
「何が"会いにきてやった"だよ、どーせ俺はパシリだろ…」
「そーよ、当たり前でしょ?わかってんなら、ビール取ってきな」