「うん…ありがとう」



大人になった乃々に会って初めて今、一瞬幼く見えた。


ずっと欲しかったものが手に入って、素直に喜ぶ子供のように。




「もう、体は大丈夫なのか?」


「え?あ、うん。完治したよ」

「そっか…本当良かったな」




うん、本当良かった。
こいつ、こんな幸せそうに笑ったりする奴なんだな。


『星夜くん!』



少しだけ、元気だった頃の美鈴とかぶってしまった。



あいつも、もし病気が完治して元気に生きていたら、どうなってたんだろう…