美鈴はただ、
「ごめんね」を繰り返し言うだけだった。



まるで、小さな子供をなだめる母親のように…

俺の頭を撫でながら
何度も何度も謝った。




「ごめんね…ありがとう」




美鈴から体を離して前を見ると優しく微笑む美鈴が居た。




「星夜くんに出逢えなかったら、きっと、どんな感情も持たないで白い天井だけを眺めて終わってたと思うの」


そして、美鈴の目から
一筋の涙が流れる。



なぜ、だろうか。

その涙を俺は、
とても綺麗だと思った。




「星夜くんがあたしの全てなんだよ。星夜くんのおかげで病室にいても辛くなんかなかった。点滴だって痛くなかった。でも、ね…」