目の前に今にも消えしまいそうな美鈴の姿があった。



「…いやだ」



そして、俺は美鈴を抱き締めた。


きつく、きつく。
腕の中に居ることを確かめるかのように…



「俺はお前がどんな姿になろうがずっと傍に居るから! だから、だから…」



美鈴を抱きしめている手に更に力が入るのが分かった。










「死なないでくれ…」




顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃで、そんな俺を見て美鈴はクスリと笑った。




「なんか…可愛い」



そう言って俺の頭を
ゆっくりと優しく
ヒビが入っている硝子を
触るかのように撫でた。





「ごめんね…」