こんなんで 美鈴に会ったら直輝と同じこと言われちゃうだろうな。 「なんて顔してんだよ、俺は」 何が恐ろしい? 何に苦しい? 真冬か?それとも、 美鈴の病気か? 「やめろよ、そんな顔」 ちゃんと前を見ろ。 全部現実だ。 ――パンパンッ 俺は顔を軽く叩いた。 「よしっ!」 小さく気合いを入れ、 病室のドアを開ける。