バイトが終わると、
俺はそのまま病院に行こうとした。
「美鈴ちゃんとこお見舞い行くのか?」
「あぁ…まあ」
ん?あれ?
こいつ知ってんのか?
「お前さ…」
「あ?なんだよ」
「美鈴が入院してること知ってんのか?」
だってほら、
なんで真冬に病院で会ったんだ?
みたいな質問されたりしなかったし、
今だって『お見舞い』って言ったよな。
「あぁ、知ってる。本人から聞いた」
「本人て、美鈴?」
「他に誰がいんだよ」
アイツいつの間に言ったんだ?
まさか、俺の知らない所で
会ってたりしたのか?
「前バイトしに来たとき聞いたんだ。お前、変な勘違いすんなよ」
直輝は俺を軽く睨みながら言った。
「べ、別に何も思ってねぇよ」
「嘘つけ、内心『俺に隠れて会ってたのか?』みたいなこと考えてたろ?」
うわー…
見透かされてる。