正直、ボーリングよりも
美鈴としゃべってたかった…なんてな。


ピンは7本倒れた。

…中途半端。


自分の番が終わり、
席につくと。


「あたし、今んとこ1位」

と、俺に笑顔でVサインをする美鈴。


「ボーリング上手いんだね」


「でしょ? でもボーリング、お初なんだよね」


え? 初!


まぢで!?


「お初で1発ストライク! あたしって天才」


そう言って美鈴は笑った。

俺もつられて笑った。

美鈴の隣は、生きているって気がする。


それから、俺たちは時間を忘れてずっとしゃべっていた。