「楽しいー!」

俺の隣に松木さんが座った。

「松木さんて、キャラ違うね」

「美鈴でいいよ、星夜くん!」

え…女の人を呼び捨てなんて、照れる。

って、俺は中2のエロガキかっ!


「み、美鈴ってなんかもっと…こう、大人っぽい感じの子かと思ってた」


なんだかんだ…
呼び捨てにしてるし、俺。


「ああ…あたしね、人よりやりたいこととか、夢とかいっぱいあるんだぁ」


「え? なんで?」


すると、少しだけ美鈴の顔が曇った。


「あ、なんか…ごめん」


つい、謝ってしまった。


「え! なんで謝んのよ!」

そう言って少し慌てたあと、すぐに笑顔に戻る。


「あたしね、やりたいことは今やる! なんでも経験して、なんでも楽しみたいの」

彼女は笑顔で、
しかし、どこか悔しそうにそう言った。


「人間なんてね、生まれたと思ったら、あっ!っと言う間に死ぬんだからさ」


そんなこと、考える人なんているんだ…

俺なんて、"ただ生きている"だけの人間なのに。


その時、俺は美鈴みたいな生き方をしてみたいなんて思っていた。


美鈴がどんな思いであんなこと言ったのか考えもしないで…


「あっ! だから、タバコも20歳まで待てなかったの、やりたいことは今やっとかないとね」

なんて、言ってた。

なんだそれ。


軽く苦笑いする俺。

「次ー!星夜の番! さっさとなげろ! そして、ガーター」

…晴、お前がガーターだボケ。