美鈴が入院して
一週間が経とうとしていた。
俺は毎日、美鈴に会いに行った。
そのたびに笑ってくれる美鈴を見ていると時間はあっという間に過ぎていった。
そして、今はバイトをしつつ早く病院に行きたいなんて考えていた。
「なぁ…星夜」
直輝が複雑そうな顔をして話かけてきた。
「なんだよ?」
「いや、その…」
珍しいな。
直輝もこんな顔するのか。
俺は直輝の顔をまじまじと見ていた。
「何見てんだよ?」
急に不機嫌そうな顔をした直輝。
「やっぱなんでもねぇわ」
直輝は頭を掻きながら
また複雑そうな顔をした。
「なんだよ?言えよ」
すると、直輝は真剣な顔をして言った。
「いいか?お前は今大切に想う奴の側に要ろよ」
「は?意味わかんねぇよ」
投げやりに答える俺に
直輝は顔色一つ変えずに言った。
「嫌でも、そのうち分かるだろ」
そう言うと直輝は品出しに行ってしまった。