美鈴の目から
一筋の涙が溢れる。




「海行った時も、こんなキスだったよね」


俺は美鈴の涙を
親指でそっと拭いた。





「また、海行きたいね」



美鈴が俺に抱き着く。
小刻みに震えている美鈴をただ抱き締めてやることしか出来なかった。





「行こうな、絶対」





すると、美鈴は俺の胸の中で頷いた。



そして、顔を上げた美鈴に涙はもうなかった。



ただ、可愛い笑顔を見せた。