美鈴は真っ直ぐ俺を見た。


「あんだよ」


俺は林檎を口に入れながら言った。


「ん? なんかさ、いいよね。こーゆうの」



そして、俺が持っていた林檎の刺さったフォークを美鈴が奪った。



「おいっ」


俺がフォークを奪い返そうとした時、



「本当はね、星夜くんと遊園地行った日に入院予定だったんだ」


そう言って俺から奪った林檎を美味しそうに頬張る美鈴。


「再発がわかってすぐに入院の予定だったんだけどね、急だったからさ…まだまだやりたいことあったし、予定日延ばしてもらったんだ」



美鈴は俺の手を掴んだ。