結局屋上の扉の前に着くまで弁当の具を何にするか2人は揉めていた



でもそれは重い鉄の扉を開けた事でピタリと止んだ



誰かの怒鳴り声が響いたからだ



「調子に乗ってんじゃねぇよ!」



思わず3人で顔を見合せた


あぁ、運が悪い


いつか見た様な光景にため息が出た



すると向こうも此方の存在に気付き悪びれた様子も見せずに小走りで寄ってきた



「竜也くんと晴人くんじゃ〜ん!」



さっきとは別人のような声に思わず笑ってしまいそうになる



「2人が先生と仲良くするなんて珍しくない!?」



知り合いか聞こうとしたがハルの言葉ですぐに答えはわかった



「え?…ごめん……君誰だっけ?」


「え?やだなー冗談きついしー!」


「…いや、ホント誰?」



困惑したハルの様子をみて竜也が割って入った



「ごめんね。俺もハルも興味ない人のこと覚えてないから」



竜也が笑顔でサラッと言うと女の顔がひきつった



「何それ…酷いよ」


「あはは。君の方が酷いでしょ」



そう言うと奥の方を指さしてニコッと笑った



「悪趣味だよね。…知ってる?あぁゆうの虐めって言うんだよ」



すると女の顔が徐々に赤くなり、ダッと屋上から飛び出して行く


それを見ていた他の奴らも慌てて後を追いかけて出て行った



チラッと竜也を見ると

何?といった感じで首を傾げた



「…あんたそんな毒舌キャラだったっけ?」



「八方美人止めろって言ったの瑠香さんだよ。これからは小悪魔キャラで行く事にした」


「あっそ」