“無理、できない” そう言って目の前のことから逃げ出すのが誰よりも、何よりも得意だった。 物事をやる前から現実を恐れて何もできないまま成長してきたせいで、いつの間にか恋愛にも臆病になってしまった。 想いを否定されることが怖くて怖じ気づいてしまったんだ。 だから、男に優しくされることが大嫌いで声を交わすことなんて以ての外だったのに、一人、たった一人だけ。 運命の人に出会った。