ゆっくりと開かれた瞼
でも彼からの返事はない

何度かパチパチと瞬きをして、小宇宙のような瞳が覚醒していく

「…………。」

「………?」

次の言葉がすんなり出て来なくて
なぜか私たちは見つめ合ってた。

「……誰?」

声を発したのは、彼で
ごもっともな質問を投げかけられる。

「あ…ぁの、私は細川美帆…」

「……細川…?」

彼の眉間にシワがよる。
寝起きだからだろうか…
機嫌が悪そうに見える表情

あんなに綺麗な瞳なのに
もったいない

なんて心の隅で思ったり

「その本、探してて…」