「まってよぉ」

やだ…ついてくる…なんでこんなにしつこいの?



「こっち!」


「きゃっ?!」


気づいたら誰かに手をひっぱられていた。


「やだ!離して!」

「おい、落ち着け。ここに隠れればもう大丈夫だろ…」


え……もしかして助けてくれた…?


私はいつのまにか手をひかれ公園のしげみにいた。


「あの…」

「あ?」


「助けてくれたの…?」

「あんなん、普通助けるだろ。つーかあの金髪目おかしかったから多分薬やってんな。」


薬って、覚せい剤とか…?


私あぶなかったんだ…


「…ありがとう……」


「別に。つか、お前泣いてんじゃん!」


「へ!?」

私は自分の頬をさわると確かに涙が流れていた。


「大丈夫かよ…。もう安心しろよ」


「はい……。ご親切にどうもありがとうございます、じゃあさよなら!」

「は!?」


男の子なんて信じられないよ…。
いくら優しくしてくれたって………




私は家に向かってまた走り出した。