「……あんた達、何でここに来たわけ?
ここは殆どがあんた達の敵、舞蝶よ?」
「お前は?舞蝶とか言う族に入ってねーのか?」
いやいや、舞蝶はもう族越えてるから。
しかも、私はそこの「黒蝶」の総長だし?
あ、ちなみに。
舞蝶は私達佐倉家が纏めてるだけだから。
族じゃないの。

「…舞蝶は族じゃないんだけど?」
半ば呆れながら冷たく言うと、
水龍の奴らは“え?”って感じの顔になった。
…私が質問に答えていないのに気付かずに。
「…知らなかったの?バカ?
全国ベスト3までを纏めて言う時に
舞蝶って言うの。」
そう言いながら、私の体は
校舎に向かって歩いていた。
「おい!!何処行くんだよ!?」
私の説明に呆気に取られていた水龍達だけど、
私が歩き出したから慌てて私の肩を掴んだ。
「どこって…教室だけど?」
それが何か?みたいな感じで言うと、
水龍の総長は肩を掴んでいた手を離した。
「……その前に」
は?まだなんか有るわけ?
「何よ?」
「理事長室ってどこにあるんだ?」
真面目な顔してマヌケなことを
聞いてくる水龍の総長。
「そこに案内板があるでしょ?
…ホントにバカね。水龍って。」