―――春です。


桜の花も満開のまさに春!な今日この日。
私たちは所謂“新学期”を迎えます。

初々しかった高校“1年生”を終え、
先輩となる第2学年に昇進です。

学年が上がると共にあるのはクラス替え。
今までのクラスの仲間と離れてしまうのは悲しいけれど、きっとその分新たな出会いが待っている!
希望に胸を膨らませでもしてないとやってらんないよね。


「おはよー!」

とりあえずクラス替え発表は始業式が終わったあと。今の時点ではまだ1年生、1年の教室へ入り込む。春休みが明け久しぶりに会うみんなはちょっと大人っぽくなったような、そうでもないような。

「あ、千鶴(ちづる)おはよー!」

ガラッとドアを開けると友達の愛子(あいこ)が飛び切りの笑顔で挨拶してくれる。うん、みんな朝から元気!

「愛子おはよークラス替えだね、今日。」

「あは、何かチヅとは離れない気がする」

先刻からクラス替えクラス替えかなり連呼している私、本当は気になって仕方ないんです。愛子にもそれとなくクラス替えの話を切り出すと、何とも嬉しい返答。愛子はほんとに楽しい子だから離れたくないな…。

「愛子離れたくないぃ~」

「あはは。可愛いやつ。あたしも離れたくないな」

頭を撫でられ笑っていると、始業式が始まる前の予鈴が鳴り響く。あぁ…もうすぐ、クラス替え発表。嫌に為る…けどさっきも言ったよう希望を持たなきゃやってらんないよね…!?



よぉし、中原千鶴、いざ挑みます!