一週間か、5日だったから良く覚えていないけれど

集団寮に行く前に指導があった。

運動。
腕立てふて、腹筋、スクワット、背筋、エアロビ等々…

運動の量はその時点で、医療の比じゃなかった。
「はいもっとしっかり!声が小さいっ!」


平行して、読書感想文や規則の暗記。


あたしの入る5寮の担任の先生が面接に来た。

「神谷やな。5寮の武田です。」

『宜しくお願いします。』

「どう?一般に来て」

先生はにこにこしていた。

眼が大きくて、綺麗な先生だと思った。

『既に医療に帰りたいです…』

「医療から来た子は皆そう言うわ(笑)医療では治療しながら、更正を目指すと言うのが前提やからな。」

『お薬も今までと同じのを飲めないみたいですし…不安です』


一般少年院には、あたしが服用しているような強い向精神薬はなかった。

弱い安定剤や睡眠導入剤しかなかったのだ。


「そもそも神谷は薬がないと生活できないんか?」

『もう3年間もずっと向精神薬を飲んできたので』

「じゃあ、それがなくても生活出来るようになろう」

『出来ますかね?』


「神谷次第や。大丈夫。先生もついとるで。」