-レイ 19歳-
『お世話になりました』
「リカちゃん、まだまだ人気でそうなのに…もう辞めちゃうの?」
「何ー?彼氏出来たとか(笑)?」
あたしは今日で店を辞める。
気がつけば、色んな店で
風俗で長いこと働いたものだ。
『ちょっと別の仕事したくて』
「へー。何するの?」
感心したように、店長が聞く。
『まあ、そのうちわかりますよ。見ててください』
「リカならどんな仕事でも上手くやっていけるよ」
その言葉を背に、
あたしは風俗の舞台を降りた。
あの人達は色んな事を教えてくれた。
近付いて心を開いて
失敗をする。
そんな時も沢山、あった。
あの頃は若かったな…。
何時かこの瞬間すらも
全て思い出に変わって
儚い過去なるのだろう。
次なる道へ向けて