「流石、気付くのは早かったな。crimeファミリーボス。黒称君。」
周りから複数の男達が現れた。
俺を中心として、周りに円になった。
囲まれた。なんて思わない。

「バルナファミリー…アメリカマフィアを仕切ってる権力者。の部下達だね。」
フッ、と馬鹿にしたように俺が笑う。
「ハハッ…部下だからってなめてんじゃねぇょ!!!!」

「死んでもらうぜェ!!」

一斉に中心の俺へと飛び掛かる。

「誰に死んでもらうって?」
折りたたみナイフをひらき、構える。
多分、相手はあんなので殺られるわけないって思ってるだろう。

目を閉じて、耳を澄ませる。

一発目が、くる。

「ぉりぁっ!!!」
ドスッ…――

あぁ、何時までたっても慣れないな、この感触。

人を刺す感触。