「思いだしたぜ、俺が中学にあがる前、会いに来た。黒いスーツをきて、一人で…」

「だったら、なに?君馬鹿なの?!命狙われるから、周りにあまりわからないように逃がしたのに!!死ぬかも知れないんだよ?俺と関わりをもてば、確実に狙われる。」

家に連れて来なければよかった。

「馬鹿はお前だ!!!」

「は…?」

雪兎が、俺に向かって叫んだ。
顔を見たら、怒ってた。
いきなりだから、まともな返事はできなかったけど。
続けて雪兎は口を開いた。

「死ぬのは自分でいいなんて顔してんじゃねぇ。それで関わるなとか言っても、俺には無理だ。見てるこっちが嫌なんだよ。」

言い方は乱暴。
だけど優しい感じがした。
初めて、人にそんなこと言われた。

「…いぃの?」

「?」

「俺と関わって、いいの?」

「関わらせたのはお前だろ」
呆れたように言う雪兎。

「そうだね」

「笑うんだな。」

「!!俺、今笑った…?」
うわ、何年ぶりだろう…

笑うなんて、忘れたかと思ってた。