「何で高校生がマフィアのボスなんかやってんだ?」

「君には関係なぃよ。」

俺の腕を握る力が強くなる。

「君はもぅ俺に関わっちゃ駄目だ。命、狙われるょ?」

「俺は何で高校生がマフィアのボスやってんのか聞いてんだ!」
声を大きくして、雪兎がいった。

振り向いて、俺は言った。

「俺の、サガだょ。」

って。

雪兎を車に乗せ
バイバイ、雪兎。
もぅ俺に会わないようにね。
関わっちゃ駄目だょ。

そう言い残し、俺は一人、部屋に戻った。

バタン――ズズッ
閉めた扉に寄り掛かり、滑り落ち、座る。
「俺のサガ…か…ハハッ…仕方ない、運命なんだょ…」


ポタッ…
落ちた雫は涙だった。

「俺…ダサ…」

呟いた声は、誰の耳にも届かず、静かなへやに消えていった。

一時涙は止まらなかった。