「お前さっき…何してた?」
その言葉に微かに反応した俺。
よりにもよって、《中村雪兎》に見られるなんて…
俺の中で、後悔という文字が浮かぶ。
「中村雪兎。16歳高校一年C組。身長169cm。血液型o型。家族は父、母と三人暮らし。親はどちらも働いていて家計は助かっている。……こんなこと言われたら、どう思う?」
さらっと俺が言った雪兎の個人情報。
全てパソコンに書いてあること。
《中村雪兎》…crimeファミリーボス。代役。
「お前…何者」
「俺はcrimeファミリーボス。日本裏社会マフィアの頂点に立つ者。さっき殺した奴らは、日本のマフィアに手をだした海外マフィアだ。ご丁寧に俺にあいにきてくれてさ。」
そこまで言って、俺は振り向き、雪兎の目を、真っ正面から見据えた。
雪兎の目からは、様々な感情が読み取れた。
驚き。恐怖。疑問。…悲しみ。
あぁ、そうか。
このこは優しいんだ。
「さて、質問も終わったし、家まで送るよ。普通の車がいぃよね。」
そう言って俺は立ち上がり、ドアに向かう。
その時、雪兎が俺の腕を掴んだ。