このバランスの悪い会話は、得てして合理性もなく繰り返された。だけど確実にポイントは稼ぎ、報酬の金額も徐々に上がっていった。給料は月に二回自動で振り込まれる。
なんだ、簡単なことじゃない。こんなに簡単にお金が稼げるなんて。世の中の男ってこんなに単純だったんだ。ふと嫌気がさすこともあった。だけど私は、短時間で何人もの人間と会話をした。年齢も関係なく、職業も、ドライバー、自営業をする人、電話会社の社員、不動産、フリーター、自称社長という人間。もちろん既婚者が来ることもあった。そしてログインする場所もさまざまで、会社から。家族の寝た後鍵を閉めた自分の部屋から。インターネットカフェから。心を交し合うことなく私は彼らと会話を交わした。そして、時には他人のふりをして、町田美鈴の話題の会話をすることもあった。そんな時、何故か私は客観的だった。あたかも他人の話をするかのように、私も彼女の話をした。そのとき初めて本当の自分を知ることが出来るような気さえした。そして不思議と呪縛が解けるような気がした。
アダルト目的の人間の対処法も覚えた。だけど反対に、少しぐらい脱ぐことにも抵抗を感じなくなっていった。減る物じゃない、触られるわけでもない。だってこれは全てバーチャルでしかないのだから。そんな甘い考えは私の中の何かを壊そうとしていった。それと同時にリアルを求めてくる人間も後を絶たなかった。〝リアル〟言葉通り現実を求める人、実在する私に会いたいと言う人間。だけど、そのたびに私の心はあの時に戻った。まるでフラッシュバックをするみたいに・・・。もし実際この人たちに会ったなら・・・。事実が知られてしまうのではないかと・・・。何かを〝される〟なんて恐怖より、過去と事実を知られることが怖かった。いろいろな人間と会話をして、時には本気で楽しい会話になることもあった、しかし大半はアダルト目的の人ばかりだった。それに対す嫌気の気持ちと反比例して、私は相手を出来るだけ長くログインさせたいと思うようになっていた。そんなやつらから、ポイントを搾り取ってやりたいと。私は心底腹黒い女だった。
なんだ、簡単なことじゃない。こんなに簡単にお金が稼げるなんて。世の中の男ってこんなに単純だったんだ。ふと嫌気がさすこともあった。だけど私は、短時間で何人もの人間と会話をした。年齢も関係なく、職業も、ドライバー、自営業をする人、電話会社の社員、不動産、フリーター、自称社長という人間。もちろん既婚者が来ることもあった。そしてログインする場所もさまざまで、会社から。家族の寝た後鍵を閉めた自分の部屋から。インターネットカフェから。心を交し合うことなく私は彼らと会話を交わした。そして、時には他人のふりをして、町田美鈴の話題の会話をすることもあった。そんな時、何故か私は客観的だった。あたかも他人の話をするかのように、私も彼女の話をした。そのとき初めて本当の自分を知ることが出来るような気さえした。そして不思議と呪縛が解けるような気がした。
アダルト目的の人間の対処法も覚えた。だけど反対に、少しぐらい脱ぐことにも抵抗を感じなくなっていった。減る物じゃない、触られるわけでもない。だってこれは全てバーチャルでしかないのだから。そんな甘い考えは私の中の何かを壊そうとしていった。それと同時にリアルを求めてくる人間も後を絶たなかった。〝リアル〟言葉通り現実を求める人、実在する私に会いたいと言う人間。だけど、そのたびに私の心はあの時に戻った。まるでフラッシュバックをするみたいに・・・。もし実際この人たちに会ったなら・・・。事実が知られてしまうのではないかと・・・。何かを〝される〟なんて恐怖より、過去と事実を知られることが怖かった。いろいろな人間と会話をして、時には本気で楽しい会話になることもあった、しかし大半はアダルト目的の人ばかりだった。それに対す嫌気の気持ちと反比例して、私は相手を出来るだけ長くログインさせたいと思うようになっていた。そんなやつらから、ポイントを搾り取ってやりたいと。私は心底腹黒い女だった。