深夜1時―――― 家族が寝静まった後、桜井優太は無意識に携帯電話の画面を見つめていた。そして、携帯電話を閉じるとともにため息を漏らした。 「やっぱりダメかな」 ――――そうだ!! ダメに決まっている。 「誰!?」 ――――私は君だ。君自身だ。 ベッドが軋み、机が揺れ、優太は金縛りに遭い、全身が言う事を聞かなかった。 ――――ちょいと体を拝借。 悪魔でも乗り移ったのか。自分とは別の