コツン、コツンと足音が近付いてくる。 その足音と連動するように、私の心拍数は上がる。 「…妹尾」 ビクっ 緊張で、身体が跳ねた。 目を隠していても、先生がすぐ近くにいるのがわかる。 「妹尾、手をどけて?」 「…」 顔を隠している手をどかしたら、顔が真っ赤なのが見られてしまう。 首を横に振る。 「妹尾の…顔が見たいんだ」 ドクン 「手を、どけてくれますか?」