「待ってて。今、蒼を呼んでくるから」
あったかい紅茶を私の前のガラステーブルに置いた生徒会長は、2階の1番左のドアに入って行った。
「まさか蒼がいつも言ってたヤツが魅だなんてなぁ‥」
口を開いたのは双子の兄。
うーあーって、なんか奇妙な声を出してる兄は、どこか寂しそうな瞳で私を見た。
「それでも僕は、魅が好きだよ?」
弟がふわっと笑いながら、私の左隣に座り直した。
「橙向先輩たちは、私の友達になってくれるんですか?」
男の子の友達が増えるなぁ。
優花たちとも仲良くなってくれるかな?
ーーーーーー‥
「魅、その橙向先輩ってのヤメろ」
「そーだよ魅。僕の事は颯斗って呼んで?」
「は‥やと?」
「そっ」
颯斗はふんわり笑いながら、私の頭をなでなでし始めた。
「俺は海斗」
「かいと‥カイト‥海斗‥」
「連呼すんじゃねぇっ!なんかっ‥恥ずかしいだろーが」
そう言った海斗は、顔が真っ赤だった。
ふふっタコみたい。
「あははっ、海斗がたじたじだ。魅は面白いなぁ」
コウくんは、手を繋いでない方の手で、颯斗と一緒に私の頭を撫でていた。