(空挺部隊が向かう事になりました……)

「そうか」

(もう少し時間があれば、他に打つ手が……)

「園田二尉、全ては想定の範囲内じゃないか」

(ですが……)

「我々が反逆の汚名を被る事で、義挙は成し遂げられるのだ」

(私がもっと早く気付けば……)

「君の作戦通りに全てうまく行っているではないか。私は君に感謝している……」

(え!?)

「この老兵に、最後の花道を用意してくれたんだ。私は喜んで死地へ向かえる」

(教官!)

「君にそう呼ばれたのは、何年ぶりになるかな……先に行く。靖国で会おう、いや、反逆者は地獄が相場だった」

(でしたら自分も地獄へ……)

「ならば喜多島先生の下で……」

(きょうか……)

 園田の最後の言葉を待たずに、垣崎二佐はチャンネルを元に戻した。

 壁に立て掛けていたレミントン狙撃銃を掴み、ボルトを引いて遊底へ弾丸を送った。