一歩一歩。 屋上へ続く階段を上る。 ギィ… 鉄のサビた戸の音が、階段に響く。 サァー… 夏の生暖かくも、涼しい風が通り過ぎる。 「「気持ちー…」」 「「あ"…?」」 「「ハモった? …誰?」」 ハモリすぎや! 戸のすぐそばで座り込んでいる男子。 ヒョイと顔をのぞいた。 「…はじめまして。 ここの生徒だよね?」