ドーン……。パラパラパラ……。




「ねぇ!! 見て!!」



島野は、僕のTシャツをグイ、と引っ張った。



夜空に高く上がる、花火がハッキリと見える。



打ち上げ場所は、そんなに遠くないのだろう。




「綺麗……」




島野は、うっとりとした表情で花火を見つめていた。




華やかに光る花火の残映が、島野の顔をうっすらと照らし出した。




『コイツ……』



僕は島野の横顔を、無言で見つめた。




『黙ってりゃ、意外と可愛いじゃねーか……』




ふと、脳裏にそんな事がよぎった。