僕は必死に立ち回りを覚え、初めてヒーローに変身した。




憧れだったモノに、ようやくなれるのだ。




クソ暑いスーツに身を包み、出番を待つ。





「みんな、大きな声で呼ぼう!! せーのっ!!」



『アイムレンジャー!!』




明らかにお姉さんと呼ぶには、年齢的にムリがある“お姉さん”に誘導され、子供たちが高らかに呼んでくれた。




『とぉーっ!!』




かけ声と共に、颯爽と登場した瞬間は何とも言えない感動だ。




子供たちが、皆こちらを見ている。




戦闘員の時には、味わえなかった興奮に身震いした。