そんなこんなで、ショーは連日行われた。
毎日が、うだる様な炎天下であった。
僕らは毎回Tシャツを絞り、塩を吹いていった。
連日連日押し寄せる子供の数は、塩の量とともに、日に日に増えていった。
そして、ショー終了の最終日……。
「オレもうキツくなってきたから、お前がイエローをやれ」
「えっ!?」
横暴な先輩からの、突然の配役交替。
僕は舞い上がると同時に、激しく戸惑った。
今までは戦闘員として無様にやられればよかったので、多少ミスっても平気だったが、今度はそうはいかない。
テレビに出ているヒーローとして、格好良く決めなくてはならない。
子供の夢を壊しちゃいけない。
それが、指命だった。