――――――――
髪をクルクル巻いて、ネオンに負けないように肌もキラッキラにして。
そんでもって、従兄弟(イトコ)の結婚式用に買ったけど、派手すぎて家族に止められたドレス。
結局ずっと捨てられずにタンスの中だったけど、まさかこんな事で着る事になるなんて……
ちょっと、想像もしなかった。
「Bitter Sweet」と書かれた、チョコレート色の看板をくぐると、薄暗くて高級感ただよう店内が現れた。
きらびやかなホスト達。
でも、別に特別イケメンじゃない。
ただの人間。
私と同じ歳くらいかな。
これは、輝が目立つの納得しちゃう。
確かにあいつ、こん中で比較できないくらい綺麗だもん。
それにあの人懐っこい性格じゃ、売れるよねぇ……なんて。
『ようこそ。 Bitter Sweetへ』
軽くロン毛で髪をツンツン立たせた今風ホストが私の前で一礼する。
変な優越感だ。
『咲耶……って、いる?』
とりあえず遊びに来たわけじゃないから、サッと終わらせサッと帰りたい。
咲耶にちょ〜っと探り入れに来ただけなのよ、私は。
『申し訳ありません…… 咲耶は、外出しておりまして……』
……って外出かよ!!
来た意味ないじゃーん!
じゃあ、こうなったら一か八か。
『元ホストの輝…… 詳しい人いないの?』
輝に結び付くなら誰だっていい。
輝の本名に近づけるなら……
『あ、僕は輝さんの後輩なんですよ。 いつも輝先生と呼ばせてもらってました』
って、お前かよ!!