「……香……綾香……」
え?
輝?
「力抜いて……? 俺を頼って」
何で輝、裸なの?
……あッ!!
私も裸じゃん!!
って、あ、う、わぁ!!
あ、、な、何しようとしてんの!?
「綾香……入れるよ……?」
ちょ、待って!
待ってよ!
は、入る入る入る!!
入っ……た?
《ブホッ!!》
『おはよー。 綾香が早起きすんの珍しいねー』
『……そうだね』
輝のやつ。
こんな朝っぱらに、ベランダから挨拶しやがって……
『それ布団? 洗ったの?』
そうだよ、布団だよ。
洗っちゃ悪いか!
洗ったからほすんだよ。
『今日、雨らしーべ? 何で洗ったの』
……言えない。
絶対言えない!
輝とエッチする夢見て、鼻血ふいたなんて……
『よいしょっ、と』
って、え?
『何でこっち来てんのよ』
あまりにも自然に柵(サク)を伝ってくるから、止めるのが遅れてしまった。
『おいで。 ランドリーまで乗せてってやるよ』
『……は?』
『車、無いだろ?』
いや、うん。
ないと言えば、ないんだけどね?
車も免許も……
『それとも、血のついた布団持って歩く?』
『いや、それは……って、えぇ!?』
あ、や、落ちてない!
ちゃんと洗ったつもりだったのに!
『洗剤と漂泊剤も持ってこいよー。 俺、先行って入口の前に車出しとくわ。 つか、サンダル借りるね』
輝は、そう早口に言うと、私の健康サンダルを履いて出ていってしまった。
おいおいおい。
だったら最初から私の部屋に来る必要ないんじゃないかー?
ほんっと、意味不明!!