子供服の通販雑誌とかに、よく出てるモデルの子。
ちょっと可愛いなぁと思うと、苗字は鈴木とか山本なんだけど、名前は外国人だったり。

父か母か、どちらかが外国人なんだろうけど……
優しそうな目をして、まるで天使みたい。


そう、まるでそれは、輝……
輝を初めて見た時も、外国の子供のようだと思ったんだ。


そんな輝がどうして私なんかを……って、不思議な気持ちと同時に、少しの優越感。




『それより、どう? 俺の名前わかった?』

温(ヌル)くなったココアを「ずずっ」とすすった私に、輝は言う。

正直、そんな事はすっかり忘れてた。

初日は、ネットで調べたりしてたんだけどさ……

『まさか無期限だからって、俺のいない間、ゴロゴロしてたってわけ?』

『う……』

ご、ゴロゴロしてたわけじゃないよ?
ほら、カブトムシのお世話もあったし。
って、今日来たんだけどさ……

『あーそう。 そんないい加減にされるのもムカつくしなぁ……』
『ごめんって!』

そんなに怒らなくてもいいじゃん。
どうせ、すぐ飽きるくせに。

『……1ヶ月』
『へ?』
『1ヶ月以内に当ててみろよ。 期限付きのが、盛り上がるだろ?』

は、はぁぁー!?
1ヶ月なんて……ッ!!

『無理無理! 絶対無理!!』
『別にいーんだぜ? 俺は、このゲームに勝ちたいし』

不敵な笑みを見せる輝。

そんなの狡い。
一方的に始めて、私を不利な方向へと攻める。

『つか、自信あるんだ』

狡すぎるよ……

『このゲームだけは……絶対に誰にも勝てないって』