『ごちそうさま〜』

オムライスと即席コーンスープ。
ペロリと平らげて床に寝転ぶ。

隣の智志も満足そうにベッドにもたれて座った。

『こんなにゆっくりするの久しぶりだね?』
『まぁ、卒業してからバタバタだったしな』

ハハっと笑って鼻を擦るしぐさに、昔の面影を感じる。

私に告白してきた時も、照れ臭そうに擦ってたなぁ……なーんて。

『つーか、仕事見つかった?』

う……
それを言っちゃ駄目でしょ〜!

『いやぁ、この不景気だし? 正社員どころか、バイトもないんだよねー』
『お前、いっつもそう言ってねぇ? より好んでるから仕事ねーんだよ』

つか、そんな事言わんくてもよくね?
私の勝手なんですけど!

『掃除のおばちゃんとか、スーパーの惣菜屋とか。 何でもあるだろーが』

それは……ッ
智志が、うまくいってるから。
一流企業に就職してるから。

だから言えるんだよ。

何で私、そんな所ばっか狙わなきゃいけないの!?

有り得ない!!

『ほら、求人雑誌持ってこいよ。 俺も一緒に探すから』
『……いいよ、別に。』

私だって、やりたい仕事とやりたくない仕事があんだよ。
何だっていいわけじゃない!!

『智志に頼る程、困ってないんだから!』

バンッとテーブルを叩いた手が、めちゃくちゃ痛かった。
ガラステーブルじゃなくてよかった。

割れたら大変だもん。








って……あ。
やっば〜。
勢いで家出てきちゃったけど、携帯も財布も忘れた。

失敗失敗……

あーもー…最悪。