背が高く細身で、髪も短いから男のように感じるのか。いつきいわく、私は普通の男よりカッコイイらしい。どうでもいいが…。
いつきは手紙を私の目の前に差し出し、
「捨てようとしてたでしょ?」
「だって…いらないもん」
正直こういう物を貰っても何も思わない。例え中身を見たとしても。
手紙から視線を逸らすと、何故かいつきは怒り出す。
「だからって捨てるなんて酷い!この手紙の人だって一生懸命書いて、勇気を出して渡したのに、それを読まずに捨てるなんて酷い!」
「じゃあ、あの人と付き合えってのか?」
「そこまでは言わないよ。優ちゃんの気持ちだってあるし…。でも読むぐらい読んであげなよ。せめて返事とか」
「そんな事言ったら私は何人に挨拶回りしなきゃなんないんだよ」